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今週のヘッドライン|2025年6月第3週号

関東第1工場が完全復活 ―― イートアンドホールディングス

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日産、冷凍餃子11万パックを生産(関東第一工場)
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新設のワントレーライン

 イートアンドホールディングスは6日、4月に完全復旧した関東第1工場(群馬県板倉町)を報道陣に披露した。第1工場は6種類の餃子を製造。1日に冷凍餃子を約11万パックを製造できる。復旧に当たり餃子の成型機を2台追加。成型機8台体制に増強したことで、1.5倍の製造が可能となった。また新たに敷設した冷凍惣菜(ワントレー商品)は、今春新発売した「中華おこわと黒酢肉団子」などワントレー弁当の生産をスタートした。同工場は多品種の餃子、水餃子を生産、同社の関東工場の一翼を担う。
 
 関東第1工場は2013年12月に出火し、躯体を含む製造ラインが被害を受け「羽根つき餃子」の供給不足が発生するなど同社の業績に大きな影響を与えた。
 同社では第1工場の復旧を段階的に進めてきた。同工場は全6ライン。24年2月に外食事業の餃子(具)製造ライン、同3月外食事業(皮)製造ライン、食品事業冷凍水餃子ライン、4月に外食事業・麺製造ラインを順次復旧。罹災の影響があった3ラインについても焼き目付き餃子を除く、冷凍大袋餃子ライン、冷凍トレー餃子製造ラインは今年4月に復旧、さらに新たに冷凍惣菜(ワントレー商品)製造ラインを導入した。復旧の投資額は21億7000万円。製造能力は約1500t(月産)と出火前(約1200t)の25%と製造能力を増強した。
 関東工場は第1、第2、第3工場があり、第1工場はOEMなどの多品種の餃子と冷凍水業の生産がメイン。工場は3直体制。7割程が外国人技能実習生だ。
 第1工場は6種類の餃子を製造。1日に冷凍餃子を約11万パックを製造できる。復旧に当たり餃子の成型機を2台追加。成型機8台体制に増強し、1.5倍の製造が可能となった。
 餃子で使用する野菜は契約農場から調達した国産を使用。餃子は店舗と同様に“ミミ”ができるだけ少なくなるように成形している。凍結機もトンネルからスパイラルフリーザーに変更した。また新たに敷設した冷凍惣菜(ワントレー商品)は、今春新発売した「中華おこわと黒酢肉団子」などワントレー弁当を生産。中華料理店ならではの大きなフライパンなどを配置している。
 また関東工場には24年9月に冷凍倉庫「関東ロジスティクスベース」(KLB)を建設。主力商品の「羽根つき餃子」などの製品の商品名、賞味期限、ロット情報をQRコートで管理・識別。オペレーションを自動化し、約1カ月分の在庫を保管している。
 上田浩司関東第1工場長は、「生産したくてもできない状態のマイナスからのスタート。餃子を作ることができたことがうれしい。以前よりもグレードアップした。成型機も増え、スパイラルフリーザーへの対応は苦労した。第1工場は人手部分も多い、練度を上げていきたい」としている。
 なお復旧に当たり第1工場内の従業員食堂に「フローズンラボ」を新設している。同施設では、冷凍食品を陳列、メーカー各社の電子レンジを備えた。冷凍食品は、同社商品だけでなく他メーカーの商品も試食できるようにしている。

若年層への提案強化 ―― (一社)日本冷凍めん協会

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白潟会長
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 (一社)日本冷凍めん協会は4日、東京・品川の品川プリンスホテルで「第22回通常総会」を開催した。総会では新たな理事として山岸亮東洋水産低温食品部部長を選出。重点施策としてHPのさらなる充実による閲覧回数増を目指すとともに、SNS・X公式アカウントを作成し発信、全国高校生冷凍めん料理コンクールを継続することで若年層への提案を強化していく方針などを明らかにした。
 総会で挨拶に立った白潟昌彦会長は「当協会の統計では冷凍麺の年間生産食数が20億食を超えた。日本の人口をおよそ1億人と考えれば一人当たりの年間食数は約20食となる。年間20食ということは2週間に1回食べるか食べないかといった頻度だ。多くの人に安全・安心で手軽に調理でき、美味しさも兼ね備えた食品が必要とされる中、冷凍麺を含めた冷凍食品の価値が認められここまで市場を伸ばしてきた。そういったことを考えると2週間に一度の喫食頻度で良いのか、課題を感じている。もっとうまくPRを進め、冷凍麺の良さを伝えることができれば1週間に1回は食べよう考えてもらえるようになるのではないだろうか。20億食は40億食になる。すぐにとは言わないが将来的な目標として40億食を目指し、1週間に1回は冷凍麺を食べてもらえるよう協会運営を進めていきたい」とした。
 主管官庁挨拶は農林水産省大臣官房新事業・食品産業部食品産業課佐々木隆行課長補佐。

■PRキャラクター作成

 (一社)日本冷凍めん協会はX公式アカウントを作成、12日より投稿を開始する。アカウント名は@reitoumen_1110。協会HPとリンクする。同協会では公式アカウント立ち上げに当たり、PRキャラクターを作成。新PRキャラクターとして「うどん犬」「ラーメン犬」を発表した。キャラクターは今後、4キャラクターまで拡大する予定。

魚沼水の郷工場に新冷凍保管倉庫 ―― テーブルマーク

 テーブルマークは2日、「魚沼水の郷工場」(新潟県魚沼市)の敷地内に増設を進めていた冷凍うどんの新たな保管倉庫を竣工・稼働したと発表した。
 冷凍うどん市場の長期的な需要増に対応するため、保管能力の増強を目的とした増設となる。新保管冷凍庫は、従来常温倉庫を冷凍倉庫に転換したもの。新保管倉庫の稼働で、同工場の冷凍保管能力は35%増強となる。
 また「パレット輸送」の拡大に向けた輸送効率の向上を目指し、パレットあたりのケース積載数を増加するための設備仕様を導入。「パレット」に適した積載数への対応が可能なパレタイズロボを新に導入(「カトキチさぬきうどん5食」が従来の6段積みから8段積みが可能となる)。あわせて倉庫内ラックの高さの設定も引き上げた。これらの取組みで、「パレット輸送」の拡大を推進し、ドライバーの待機時間や荷役作業の軽減を実現を図る。
 新潟魚沼水の郷工場は2010年11月に冷凍うどんとパックごはんの製造工場として稼働を開始。2018年位は同工場内に第2工場を新設し、現在では同社冷凍めんにおける最大の生産能力を有する主力工場となっている。
【冷凍保管倉庫概要】▽倉庫面積1537㎡▽主な保管商品「カトキチさぬきうどん5食」「カトキチ稲庭風うどん3食」▽その他 冷却設備は自然冷媒(アンモニア、CO2)を採用、全館LED照明を設置


2024年UDF統計 生産量増加に転じる

 日本介護食品協議会(森佳光会長、会員96社)は1日、会員企業を対象にした2024年1~12月のUDF生産統計を発表した。生産量は7万2041t(前年比5.2%増)、生産額は563億5600万円(同10.0%増)で、ともに増加した。生産量はコロナ禍で需給バランスが乱れ減少に転じた21年以来の増加となった。
 うち業務用は2万9009t(前年比8.3%増)、319億5200万円(同12.1%)と増加。市販用・業務用比率は59.7%対40.3%。
 同協議会では、「老々介護や独居など社会問題化する在宅での食事介護シーンはもとより、給食など業務用現場では人手不足の解消がもはや困難な中、極力人手を要しない食事提供手法への工夫が進められている。これは、UDFのような介護用加工食品が、病院や介護施設、給食などの事業者の選択肢になりうることを示唆している」としている。
 なお、5月末現在のUDF製品登録数は2155品目(前年比12品目減)となった。

■冷凍タイプは数量5.4%増

 UDF生産のうち「冷凍タイプ」は、生産量1万9318t(前年比5.4%増)、生産金額206億8200万円(同8.3%増)と、引き続き伸長した。
 全体に対する構成比は、それぞれ26.8%、36.7%。施設や病院の給食等に利用される業務用では冷凍品が7割近くを占めており、生産量は5.5%増と増加した。

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