27年度2兆6500億円へ ソリューションプロバイダーへ 第9次中計 営業とロジ両軸で ―― 日本アクセス
日本アクセスは今期より第9次中期経営計画が始動した。新中計では、「変革と挑戦×実践2027」をスローガンに掲げ、サプライチェーン全体の最適化と持続可能な社会の実現に向けた取り組みを本格化させる。服部真也社長は「取引先や社会課題に対し、ソリューションプロバイダーとして、強みであるマーケティング力とデジタル技術を駆使し、営業・物流の両軸からソリューションを提供していく」とし、最終年度である2027年度には、売上高2兆6500億円、経常利益354億円、当期純利益235億円を目指す。
成長戦略の柱は、既存事業の強化、新規市場の創出、海外事業の拡大。既存事業では、卸売およびロジスティクス事業の収益力向上に注力し、ドライ商品の強化や非食品分野への展開も視野に入れる。さらに、マーケットイン型の商品開発やキャラクタービジネスの推進を図る。一方、新たな市場開拓では朝食習慣の定着を目的とした「朝食向上委員会(仮)」や、冷凍食品・アイスクリームの消費拡大を狙った「チン!するレストラン」など、独自の販促企画も展開する。
物流面では、フローズンマザーセンターのネットワークを拡充。既に関東、近畿、中四国で稼働中の施設に加え、2025年秋には中部拠点が稼働予定。冷凍・チルド両機能を兼ね備えた物流網を整備し、全国規模での中長期的な拠点構築に乗り出す。2025年には神戸低温物流センター(3月)、埼玉低温物流センター(11月)など予定。物流投資額は、前中計比2倍以上となる340億円にのぼる見通しだ。
海外展開では、伊藤忠商事グループのネットワークと自社の物流機能を活用し、小売業やメーカーの海外進出を積極支援していく。
服部社長は、「多様化するニーズなど、ソリューションプロバイダーとして、取引先と社会課題の解決につながる提案を行っていく」とした。
■前3月期、増収増益
日本アクセスの2024年度(2025年3月期)連結業績は売上高2兆4188億1200万円(前期比3.5%増)、営業利益330億7800万円(同9.2%増)、経常利益341億6000万円(同7.0%増)、当期純利益241億200万円(同12.9%増)と増収増益。売上高経常利益率は1.41%(同0.05%増)。
温度帯・カテゴリー別の売上高はドライ9033億円(同3.3%増)、チルド7713億円(同2.9%増)、フローズン5405億円(同5.7%増)。物流収入・その他事業2037億円(同1.3%増)。カテゴリーではフローズンのうち、市販用冷凍食品は1683億円(同6.7%)。フローズンのうち業務用は1681億円(同4.3%増)だった。
農薬のドリフトなどに対応、生活者に凍菜の魅力伝える ―― 輸入冷凍野菜品質安全協議会

中井会長
輸入冷凍野菜品質安全協議会(凍菜協)は5月28日、東京・大手町のKKRホテル東京で第22回総会を開催し、全会員社が出席した。
今年度の取り組みとして、12月上旬に日台安全会議を、2026年1月下旬に定例会・勉強会・及び新年会を、日中冷凍野菜技術部会を開催することなどを決議した。(一社)冷凍食品協会と連携して生活者向けのイベントに参加し、日台安全会議に消費者団体代表も招くなど、生活者との接点を増やして冷凍野菜の魅力を伝える取り組みも強化する。
また、中井清典会長は自社が中国から輸入するスナップエンドウで農薬が基準値を超えて検出されたことを報告した上で、農薬のドローン散布による飛散などの新たな課題に協会として対応していく考えを表明した。中井会長は「クロルピリホスは、中国で野菜などへの使用が禁止されている農薬だが、果実や穀物では使用が許可されている。今回この農薬が基準値を超えて検出されたのは、隣接する圃場でドローン散布された薬剤が飛散したことが原因だった」とした上で「これまでの圃場に設けられてきた隔離帯の幅では、ドローン散布によるドリフトのリスクは回避しきれなくなった。隣接する圃場で農薬を使用していること自体がリスクになっている。個社では対応が難しい新たな課題が顕在化しているので、中国側の土畜商会にも協力を要請して協会として対応していく」と語った。
27社前期比103%で着地 ―― 就実会

メーカー71名が参加

中本靖司社長
広島県福山市の業務用卸本多は5月20日、岡山県岡山市のホテルグランヴィア岡山で第10期「本多就実会総会」を開催、取引先31社(その内商社4社)71名が参集した。
あいさつに立った中本靖司社長は、冒頭就実会27社の10期(24年4月1日~25年3月31日)の売上実績を発表した。
それによると売上高は47億2789万円(前期比103%)。今期目標は50億1587万円とした上で、「今年度就実会は4月より新たなスタートを切り、販売目標達成に向けてメーカー様と力を合わせて頑張っていきたいと決意している。この時期をいかに過ごすかによって、今後の本多の未来が見えてくる。メーカー様においても、今まで以上に熱いご声援をお願いしたい。目標達成には厳しい状況だが、社員1人1人が目標を達成するという自覚を持って前進している。生販一体となりスクラムを組んで前に進みたい。メーカー様も多大なる応援の程、よろしくお願い申し上げる。私は会社を成長させるためには、社員の成長なくしては成し得ないと考えており、全社員の成長が会社の成長を作り出すと考え前進している、皆様もご協力のほどお願いする」と述べた。
新会長にニチレイ大櫛社長 ―― (一社)日本冷蔵倉庫協会
(一社)日本冷蔵倉庫協会は2日、東京・丸の内の東京商工会議所渋沢ホールで令和7年第52回定時総会を開催した。
開会にあたり挨拶した浜田晋吾会長(ニッスイ会長)は協会活動について、「今年は物流が大変注目された年となった。その発端となったいわゆる2024年問題は今のところ当協会では大きな問題は発生していないと理解するが、もう少し時間が経過すれば問題が顕在化してくるのかもしれない。我々にとってはまず現場の実態の即した形で、改正物効法への対応を急ぐことが肝要だ。人手不足対策では、外国人労働者の雇用を実現すべく、特定技能制度の分野追加に向けて、現在、日本倉庫協会、全日本トラック協会と協力して、国土交通省の指導の下、具体的事務作業に入っている。自民党の物流倉庫議連の総会でも決議いただいた。早期に実現することを期待する。当協会では環境変化に対応した持続可能な冷蔵倉庫事業を目指して、諸問題に対応していく」とした。
任期満了による役員改選が行われ、浜田会長に代わり新会長に大櫛顕也ニチレイ社長が就任した。大櫛新会長は、「会長就任に当たり大変身の引き締まる思いだ。冷蔵物流業界は色々な課題が山積しているとメーカーとしても課題を感じている。少しでも会員企業皆様のためになるよう全力を尽くしていきたい」とした。