新会長に味の素・藤江氏 ―― (一社)日本冷凍食品協会

大櫛前会長(左)から藤江新会長にバトンタッチ
(一社)日本冷凍食品協会は21日、東京・丸の内のパレスホテル東京で令和7年度通常総会を開催した。総会では、大櫛顕也会長が退任、10代目会長として藤江太郎味の素取締役執行役会長が就任した。藤江新会長は、「日本の冷凍食品は価値が高いが価格が見合っていない」と賃上げなど購買力を上げながら価値に見合った価格への転換を図る必要性を訴えた。今年度事業では、「新認定制度・新認定マーク」のリニューアルを機に認定工場・認定数量の拡大に向けた、若い層をターゲットにしたPRイベントなどを開催する。
開会に当たり挨拶した大櫛会長は、「冷凍食品の昨年の国内生産量は153.8万tで前年比99.5%と若干減少も生産金額は8006億円で102.6%と5年連続で増加した。一人当たりの消費量は冷凍野菜の輸入の増加により、0.4kg増で23.6kgとなり2年ぶりに増加した。今後も経済環境に左右される部分が多いが、家庭用は食の外部化や個食化が進んでいる。新たなニーズを捉えた商品で更なる市場拡大が見込まれる。業務用は、コロナ禍で減少した需要が回復した。特に人手不足への対応ニーズがさらに高まると思う。社会課題の解決で冷凍食品の活用分野が拡大した。価値を上げる絶好のチャンスと捉えたい」とした。
総会では5年間会長を務めた大櫛会長の退任が発表され、後任に藤江太郎味の素取締役執行役会長が就任した。
藤江新会長は就任に当たり、「冷凍食品は日本の食品業界でも長年にわたり伸長してきた業界であり、これからも可能性が高く、極めて大きな存在であると認識している。10代目会長としての重責に身の引き締まる思いだ」とした。
協会の役割としては、「何が起こるか分からないことだけは分かる。業界に集うリーダーの方が最先端の情報をいち早くキャッチして、一歩でも早く対応することが必要である。このために協会として支えていきたい。二点目は日本の冷凍食品は、価値は高いが、それに価格が見合わない。当社のギョーザは海外では日本の3倍の価格で販売されているが、それでも伸長している。価格を上げる必要がある。そのためには賃上げなどの実施で購買力を上げる必要がある。賃上げ、値上げ、インフレの好循環を作るべきだ。協会としても取組んでいく。三点目は非競争領域の取組の強化だ。製品は競争領域として各社切磋琢磨していくべきだが、食の安全、物流など非競争領域は、協会では優れた取組みを行っている。優先順位を付けて拡大していくようにしたい」とした。
令和7年度の事業計画のポイントとしては、「冷凍食品認定制度の改定、認定マーク」のリニューアルを契機に、会員、認定工場及び認定数量の拡大に向け、新制度、新認定マークの周知活動を強化する。広報事業では、将来にもつながる若い層への広報活動を強化するため、若い層をメインターゲットとして「冷凍食品の日」等のイベントを実施するほか、SNSなどでも広報の推進を図る。協会公式ホームページ及び冷食ONLINEのデザイン、構成のリニューアルと内容の充実を図る。
試食会を継続実施、新規で工場見学バスツアー ―― 首都圏市販冷食連絡協議会

鎮目会長
首都圏市販冷食連絡協議会(市冷協、鎮目武志会長=国分フレッシュ・フードトランス執行役員低温事業部長)は15日、都内で2025年度の普及活動計画を発表した。今年度は、消費者向けのプレゼントキャンペーンや恒例の試食会&トークショーに加え、初の試みとして工場見学バスツアーの実施を打ち出し、冷凍食品の魅力を消費者に直接伝える取り組みを一段と強化する構えだ。
注目されるのは、昨年好評を博した「試食会&トークショー」の再実施と、今年初となる「工場見学バスツアー」の新設だ。試食会は10月22日、東京ミッドタウンで行われる予定で、冷凍食品に詳しいインフルエンサー「冷凍子ママ」が登壇。参加者60名に向けてトークショーを展開し、冷食の魅力を語る。会場では各社のおすすめ冷凍食品の試食も行われる。
一方の工場見学バスツアーは、11月中旬の平日、関東甲信越地域の冷凍食品工場をバス企画。普段食べている冷凍食品がどのように製造され、安全・安心を保ちながら家庭に届くのかを現場で見学してもらう。
鎮目会長は家庭用冷凍食品の市況について言及。「4月の首都圏・家庭用冷食は、前年同期比107%と堅調な伸びを見せている」とし、実際、カテゴリー別では米飯110%、麺107%、スナック113%、ワンプレート130%といった高水準を維持。特にうどんは前年比120%と際立った伸びを見せており、米不足の影響によって米飯・麺系商品の需要が高まっている」とし、「食品値上げは続いている。他のカテゴリーから冷食への代替需要を今後も取り込んでいくかも知れない」と語った。
冷凍フルーツ試食イベント “フルーツのアヲハタ”PR ―― アヲハタ

2日目は大盛況、6,000本を配布
アヲハタは“フルーツのアヲハタ”を目指す取り組みとして17日と18日の2日間、東京・渋谷のMIYASHITA PARKで「アヲハタ フローズンフルーツスタンド」を開催した。同イベントは凍ったまま柔らかい冷凍フルーツ「アヲハタ くちどけフローズンいちご」を近年のトレンドである串スイーツにアレンジして、2日間合計で6000本を配布。初日は雨模様だったが、2日目は晴れて気温も上昇する中、家族連れから若者、訪日外国人まで幅広い層が試食を楽しんだ。
藤原かおり取締役研究開発本部およびマーケティング本部担当兼マーケティング本部長は今回の企画について「認知向上のために何が必要かということを考えた時、インフルエンサーを活用したデジタル施策も実施しているが、昨年、そして今回のフルーツスタンドのように直接お客様に足を運んでいただき食べていただく場が非常に重要だと感じた。MIYASHITA PARKには若者が多く、ターゲットにより近い方が集まる。SNS等でもイベントの模様を拡散していただきたいと考えた」とした。
また、今期の冷凍フルーツの販売目標については「2倍までいけば非常に良い結果」とした。
父の日で冷凍ギフトを展開 ―― お好み焼みっちゃん総本店

お酒にも良く合う
お好み焼みっちゃん総本店は、5月16日から6月15日までの期間中、同社ECサイトで父の日専用の冷凍お好み焼きギフトセットを販売している。
商品は①イチ押しギフトセット(税込4900円)、②おすすめギフトセット(同3600円)で、①は焼きそば2個と辛麺入お好み焼・牡蠣入お好み焼を、②は焼きそば1個と辛麺入お好み焼2枚をセットにした。オリジナルのメッセージカードが付属する。「お父さんに喜んでもらえるギフトを届けたい」という想いから女性社員を中心に計画し、晩酌にも最適な商品を組み合わせた。
「お好み焼みっちゃん総本店」は昭和25年に創業した広島を代表するお好み焼の老舗。近年は「広島のお好み焼を全国のスタンダードに」をスローガンに掲げ、自社工場(広島市)で本場広島の味を手軽に楽しめる冷凍お好み焼きを製造して、販売している。販売はECや量販店などが中心で、今後全国の量販店などにも販路を拡大していく方針だ。