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今週のヘッドライン|2025年4月第4週号

新たな決意で挑戦 ―― ニッスイ・田中次期社長

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 ニッスイの次期社長に就任(5月14日付)する田中輝取締役執行役員水産事業執行は23日、都内で就任会見を開いた。田中次期社長は、「浜田社長の意思をしっかり受け継ぎ、さらなる発展に向けて新たな決意で挑戦し、サステナビリティ経営を軸に、世界に誇れる企業へと成長する」と抱負を述べ、「より良い未来の実現に向けて、環境・社会・人財・経済の持続的な発展をめざし、食の可能性を追求する。安全安心でおいしい食を届けることで、笑顔をつなぐ食のリーディングカンパニー、食品企業の『グローバル50』を目指す」とした。

 田中次期社長は社長就任について、「2023年8月に浜田(晋吾)社長より2025年度からスタートする次期中計『GOODFOODS Recipe2』の実行は次世代の経営陣に委ねるべきであり、先導役に私が指名されたことがきっかけだ。昨年12月に『若い血で会社を運営してほしい』と社長就任を打診され、気持ちよく受託した」と経緯を語った。
 また、就任に当たり抱負については、「浜田社長の意思をしっかりと受け継ぎ、さらなる発展に向けて新たな決意で挑戦し、サステナビリティ経営を軸に、世界に誇れる企業へと成長させる。私は『誠実であること』『挑戦を楽しむこと』を大切にしている。急激に変化する時代だからこそ、『変わる勇気』と『続ける覚悟』が何より重要だと考える。そのため、従業員一人ひとりが個々の能力を最大限に発揮し、個人と会社が共に成長できる会社、職場を作り上げる。また、取引先や地域社会、株主などのステークホルダーとは共感と共創を通じた信頼関係をさらに深め、持続可能な成長を追求する」と述べた。
 「当社の創業の遺伝子である使命感、イノベーション、現場主義、グローバル、お客様を大切にするを基に新しい会社にチャレンジする。変化の激しい中でマテリアリティは重要だ。マテリアリティを基本に、世界の食品企業トップ50を目指す。『長期ビジョン2030』の最終年度の2030年度に売上高1兆円以上、営業利益500億円以上、ROIC7%以上、海外所在地売上高50%以上を目標としており、これができればトップ50に入る」とし、「サステナビリティ経営、新しい“食”の創造、グローバル市場での価値創造の3つの柱とマテリアリティの重点課題を解決で、事業成長を果たす。新しい“食”の創造は、既存保有技術の深化と多様なパートナーとの連携を通じ現在の課題、未来のニーズを踏まえた食および新しい“食”を創造する」とした。
 またグローバル市場での価値創造では、「当社が長年培ってきた調達・加工・販売の各機能の強みを生かしたグローバルリンクス・ローカルリンクスを最大限に活用し、地域に根差したブランド戦略を推進する。これまで以上にグループ各社とのシナジーを発揮する。独自の価値を創造する。このつながりが、当社グループが在りたい姿だ」とした。
 25年度の経営方針は、「新たなシナジーを創出し最大限活用する経営」。「事業間、組織間、グルー企業間等の壁を取り払い全ての局面でシナジーを創出し、最大限活用する」とした。

生産高3.6%減に ―― 北冷協・令和6年生産高

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 北海道冷凍食品協会(北冷協)は、令和6年の道内の冷凍食品生産高を公表した。生産高の総合計は19万1296t(前年比3.6%減)だった。
 農産品は7万3720t(同3.2%減)だった。ニンジン類前年比93.7%、コーン類同99.5%、南瓜類同101.4%、馬鈴薯類同94.8%、タマネギ類同88.1%、枝豆同103.8%、ブロッコリー同96.1%だった。
 調理冷凍食品は10万798t(同4.5%減)だった。コロッケ同90.2%、カツ同91.1%、その他フライ・揚げ物同79.3%だった。
 水産・畜産品は1万6778t(同1.2%増)だった。畜産類同83.8%、魚類同103.1%、エビ・カニ・イカ・タコ類同130.4%、貝類同101.7%だった。
 北冷協は令和6年の生産量について、冷凍農産品の作柄は栽培地域によって差が出たとしている。前年に比べて原料に原料確保ができたとの報告があったものの、気温が高かったことで適期の収穫が難しく、原料の品質に影響が出た品種があった。
 北海道産の冷凍食品全体の傾向として、コロナの終息とインバウンドの増加で業務用製品の需要が増え、販売量と売上は増加傾向にある。一方で、原料、資材、エネルギー価格の高騰が継続し、原価の上昇分をすべて製品価格に転嫁することが難しいことから、利益の確保では厳しい局面が続いた。また、給与の改定が促されたことで人件費の更なる圧迫が製造原価を押し上げる可能性を指摘し、製品価格の改定によって顧客離れも懸念されるとしている。
 工場の運営について人員の不足は北海道における冷凍事業の発展を妨げる大きな課題となっている。この対策として、商品の集約や作業工程の見直しが必要になるとの認識も示している。

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