“進化する冷凍食”提案 ―― 大阪・関西万博

未来の冷食売場を創造

テラスニチレイはカスタム炒飯

ケンミンはGFラーメン
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)が13日より開幕、それに先駆け9日にはメディア向け内覧会が現地で行われた。冷凍食品関連メーカーでは「EARTH TABLE~未来食堂」エリアでニチレイフーズの「テラスニチレイ」や、ケンミン食品のグルテンフリーラーメン専門店「GF RAMEN LAB」が出店。ニチレイフーズがシルバーパートナーとして協賛するシグネチャーパビリオン「EARTH MART」では『進化する冷凍食』をテーマに、未来の冷凍食品の姿を示した。
『進化する冷凍食』では様々な食材を凍結粉砕することで作られた、長期保存のできるパウダーを展示。そのパウダーをベースにお米の形に再形成したり、料理に転用することで、新しい価値を持つ未来の食品の可能性を提示した。なお、他の食材から作られた米型の食品は。山形大学・古川英光教授率いる研究室とニチレイフーズの共創によって実験的に開発された。
未来食堂エリアの出店ではニチレイフーズが同社独自技術と自動調理機によるカスタマイズが可能な「スペシャル炒飯」はじめ、凍ったまま喫食可能な「冷たいまま食べられる今川焼」、アセロラの可能性を追求した「アセロラMIXムージー」等を提供。説明に当たった田口祐二マーケティング部部長は「1970年の大阪万博にも『テラスニチレイ』として出展している。当時は高度成長期であり、万博が冷凍食品の発展する大きなきっかけとなった。今回、また出店することで冷凍食品の美味しさや、保存、利便性を新たな価値として体感していただきたい」とした。
ケンミン食品ではGFRAMENLAB所長大西益央氏によるラーメンの実演調理および料理説明が行われ、高村祐輝社長が挨拶、「本当に感無量。2020年からはじめた取組みだが、小麦アレルギーの方、グルテンを控えている方だけでなく全ての方に、この万博の場でおいしい一杯を提供できることを嬉しく思う」とした。
新社長に松田氏、明治社長は八尾副社長に ―― 明治ホールディングス

松田氏

八尾氏
明治ホールディングスは8日開催の取締役会において、代表取締役社長CEOに松田克也取締役執行役員COO(食品セグメント)・㈱明治社長の就任を決定した。取締役執行役員COO(食品セグメント)および㈱明治社長には八尾文二郎㈱明治取締役副社長が就任する。6月27日開催予定の定時株主総会での承認をもって就任。川村和夫社長は同日付で退任、相談役に就任予定。
松田氏は㈱明治乳製品ユニット乳食品事業本部乳食品事業部長などを経て15年常務執行役員、17年取締役専務執行役員、18年には代表取締役社長に就任しており、現任。明治ホールディングスでは20年に取締役執行役員COO(食品セグメント)に就任している。
八尾氏は㈱明治の乳製品ユニット乳製品企画管理部長、経営企画部長等を経て執行役員海外事業本部長に。その後、海外事業本部管掌として20年取締役常務執行役員、21年専務取締役執行役員に。23年からは取締役副社長に就任している。
冷食はスイーツ充実 ―― セブン-イレブン・ジャパン上期方針

羽石商品本部長
セブン―イレブン・ジャパンは3月26日、東京・有明の東京ビッグサイトで上期商品政策説明会を開催、羽石奈緒執行役員商品本部長が直近までの状況および今後の方針について語った。
羽石商品本部長は24年下期に行った、低価格戦略「うれしい値!宣言」の成果について触れ、「同企画開始の9月以降、売上・客数ともに改善した。底堅くお客様の来店動機に繋がった。比較的若い世代、男女とも20代以下、または60代以上に支持を得た」とし、同社が進める松竹梅の商品戦略の中でも「梅」の商品提案に一定の成果を得たことを報告した。
その上で、25年度については「竹」に当たる、同社が強みとしてきた既存定番商品と基礎品質の磨き込みに軸足を置いていくことを強調。「基本・定番商品の磨きこみ」と「ワクワク感・楽しさのある新たな価値ある商品の提供」の2本の柱で商品展開を進めていく方針を示した。
「ワクワク感・楽しさのある新たな価値ある商品の提供」では、今回、冷凍食品で冷凍スイーツ品揃えを強化し新たなニーズを獲得していく。注力するのは5月発売の「セブンプレミアム クリームブリュレ」(2個入)。冷凍のままでアイスのような食感、解凍でねっとり食感といった「冷凍スイーツだからこそできる独特の食感」(羽石商品本部長)を活かした商品として提案していく。冷凍スイーツではフルーツを使用した「素材+α」、温度変化による食感や甘さの変化が楽しめる魅力を伝えていく。
将来の成長に向けた取組みでは、「セブンカフェティー」をはじめ、「セブンカフェベーカリー」のベーカリー、ピザ、焼き鳥等の「できたて」商品拡大テストを埼玉29店舗で既にテスト。現在、既存のカウンターFFがほぼ落ちずに上乗せとなっている。この結果を受け、今後26年までに焼成機の導入を約2万2500台まで拡大していく方針だ。
冷凍ワンプレート2品

コスパが魅力
セブン―イレブン・ジャパンは8日、〈セブンプレミアム〉シリーズから冷凍ワンプレート2品。
「グラタン&ハンバーグ」(税別398円)と「ミートドリア&ペペロンチーノ」(同428円)を投入した。
トレー入りで洗い物が不要になり、相性の良いメニューが一度に食べられるという利便性とコストパフォーマンスの高さが魅力の商品。単身・共働き、在宅勤務などで来店者の生活スタイルが変化する中で、一度に複数のメニューが食べられるワンプレート冷凍食品のニーズが高まっていることから開発した。
「全国旭友会」の活動終了 ―― 旭食品
旭食品は、同社と同社の主要取引メーカーで、1998年に発足した「全国旭友会」が、24年度末をもって27間の活動を終了したと発表した。
第1回総会は特別会員の旭食品と会員61企業での開催であったが、回数を重ねるごとに会員数は増加、最後の第27回総会での会員数は82企業となっていた。27年間の活動は全て、旭食品の発祥の地、高知県で総会・懇親会を開催、大手食品メーカートップが集った。
全国旭友会の未消化活動費は「国連WFP協会」及び「こうち食支援ネット」様に全額寄付した。
全国旭友会は、今後は、トモシアホールディングス共栄会に引き継がれることになり、各事業会社の所在地で順に開催される予定。