冷凍食品新聞社 発行日(週刊・毎週月曜日)購読料1年33,600円(+税)昭和44年6月19日第三種郵便物認可

今週のヘッドライン|2023年6月第4週号

冷食は計画比150% ―― 松屋銀座

▼キャプション▼
今井課長

 松屋銀座の今井克俊食品部営業一課長は16日、昨年8月31日に立ち上げた自営のハイクオリティ冷凍食品売場「GINZA FROZEN GOURMET(ギンザフローズングルメ)」の販売概況について発表した。昨年のスタートから今年2月までの売上は計画比150%で推移した。自家需要だけでなくギフト需要もあり好調に推移している。さらに同社ではこのほど、明治屋ストアー店舗向けに「ギンザフローズングルメ」の卸売事業も開始した。卸売事業は3年後に10店舗ほどを計画、店舗、EC、卸売をあわせた今期売上目標を1億円に設定した。

 今井課長の現在の販売状況および今後の方針についてのコメントは次の通り。
 (ギンザフローズングルメは)昨年8月31日のスタートからおかげさまでたくさんのお客様にご来店いただき、目標値に対し150%以上(スタートから2月までの実績)の結果となった。3000円台のプライスラインがなかなか無かったマーケットではあるが、そこに風穴を開けたいという思いがあった。高品質な冷凍食品がたくさんのお客様に受け入れられたことは大変うれしく思っている。
 銀座で販売している商品だが、九州から北海道まで毎日のように電話注文やECでの注文がある。また、自家需要だけでなく、祖父母や孫へのギフトとして使いたいといった需要が非常に増えていることが要因だ。
 現状はと言えば、コロナが落ち着きつつある中で、冷凍食品の販売動向については心配な部分もあったが、ギフト需要や家庭内で美味しいものを食べたいといった需要は一定数あり、安定した売上を維持している。
 既存品売れ筋商品は①松坂牛シルクハンバーグステーキ(銀座吉澤)②ロールキャベツトマトソース(銀座日東コーナー1948)③舌平目かに肉包揚げ(銀座みかわや)。やはり再現性の高い商品が好評だ。
 半年取り組んでみて感じたのは、新たな商品を追加することが非常に難しいということ。様々な飲食店様から自社の商品を冷凍で販売してほしいという依頼は来るが、私どもの〈ギンザフローズングルメ〉のブランディングをいかに確立していくかも悩む部分であり、たとえ売上が見込める商品でも差別化できない商品は取り扱わない方針としている。
 今回は初めて卸事業を開始し明治屋様の売場にギンザフローズングルメの売場を作らせていただくということでご了解いただいた。店頭売上、卸売上含め今後の目標として23年3月―24年2月の冷凍食品売上として1億円を達成したいと考えている。
 明治屋ストアーでの販売は7月から2店舗(広尾、二子玉川)で、さらに8月に1店舗、計3店舗を予定している。20~30SKUで〈ギンザフローズングルメ〉のブランドを打ち出していく。卸事業の展開としては3年後に10店舗まで増やしたいと考えている。

新社長に溝口氏が就任 ―― ヤヨイサンフーズ

▼キャプション▼
溝口社長

 ヤヨイサンフーズは22日開催の取締役会において、代表取締役社長に溝口真人顧問が就任した。大西宏昭前社長は顧問に就任した。
 溝口真人(みぞぐち・まさと)氏は、1987年3月東京水産大学水産学部(現:東京海洋大学)卒。同年4月大洋漁業(現マルハニチロ)入社、2014年4月マルハニチロ関西支社食品営業部長、2017年4月同社業務用食品ユニットCVS・デリカ営業部長、2018年4月同社業務用ユニットCVS統括部長、2019年4月同社業務用食品ユニット業務用食品部長、2022年4月同社執行役員食材流通ユニット副ユニット長、2023年4月ヤヨイサンフーズ顧問。1964年生まれ58歳。
 〈新役員体制〉▽代表取締役社長 溝口真人▽常務取締役 佐々木卓夫▽同生産本部長 稲益正昭▽同営 栗田晋吾▽取締役 齋藤浩▽取締役・非常勤 安田大助▽同 濱崎日出男▽同 添田博▽監査役 中川靖志▽同 山本秀和▽同 部屋朋成▽執行役員 森﨑雄治▽同 大場義孝▽同 宮田晋吾▽同 池田竜司▽顧問 大西宏昭
 〈退任〉▽玖村知之(取締役・非常勤)▽吉田雅一(監査役・非常勤)

夢工場、冷食専用で再稼働 ―― 伊藤ハム米久ホールディングス

▼キャプション▼
冷食製造に適した連続ラインを導入、調理品を中心に生産する

 伊藤ハム米久ホールディングスは20日、稼働を停止していた子会社の伊藤ハム米久プラント㈱の夢工場(静岡県沼津市)が6月より稼働を開始したと発表した。
 同工場は、同社グループの冷凍食品市場への取組み強化を目的に、冷凍食品製造に特化した工場として再稼働したもの。同工場は米久夢工場としてソーセージやベーコンなどを生産していたが、工場火災のため2019年12月より操業を停止していた。今回、再稼働に当たり伸長している冷凍食品の更なる取組みの一環として、従来製造していたソーセージ、ベーコンはケンコー工場(静岡県三島市)などHDグループ内の工場に移管。製造ラインを新たに設置することで冷凍食品製造に特化した工場としたもの。製造する冷凍食品のアイテムは冷凍調理食品となる。当面は米久デリカフーズ静岡工場から移管される〈大龍シリーズ〉などの生産を予定する。
 同工場の敷地面積は1万1221㎡、延床面積9061㎡。冷凍食品製造に当たり、新たに冷凍食品製造に適した連続ライン設備を導入した。投資総額は約20億円。スタートに当たり米久デリカフーズ静岡工場から移管品の生産を年間約3000tから開始し、「今後、市場ニーズに沿った冷凍食品を開発することで生産量を拡大していく。新工場の稼働により、伸長する冷凍食品市場への競争力を一層高めていくとともに、新規市場への取組みや事業領域の更なる拡大を目指す」(同社)としている。
 伊藤ハム米久ホールディングスグループは、「中期経営計画2023」で「収益基盤の強化」「新規事業・市場への取り組み」を重点取り組み方針として掲げている。今回の夢工場の稼働再開で、グループの冷凍食品生産拠点の集約を目的に東海エリアで冷凍食品製造の一端を担う米久デリカフーズ㈱静岡工場(静岡県静岡市)の生産品を順次、夢工場や米久デリカフーズ本社工場(静岡県沼津市)へも移管する。
 なお、伊藤ハム米久ホールディングスでは、伊藤ハム米久プラント㈱(千葉県柏市)、伊藤ハム米久フーズ㈱(兵庫県西宮市、)の生産部門統合会社を23年4月より設立している。


「チン!するレストラン」 ―― 日本アクセス

▼キャプション▼
ライブキッチンスペースも
▼キャプション▼
服部社長

 日本アクセスは、冷凍食品・アイスクリームが食べ放題のレストラン「チン!するレストラン」第2弾を大阪・梅田のOSAKA FOOD LAB(大阪市北区中津1-1-36)で16日から期間限定オープンした。
 「チン!するレストラン」は、冷凍食品やアイスクリームを約250種類(冷凍食品約200種、アイスクリーム約50種類)を取り揃え、食べ放題で楽しめる新感覚のレストラン。昨年10月に東京・秋葉原で展開し話題を集めたが、今回、「大阪でも」との強い要望もあり、大阪で第2弾が開催されることとなった。
 大阪開催に当たり、東京開催時の約2倍の座席数(85席)を用意し、さらに初となる「ライブキッチンスペース」を展開。同スペースでは、各メーカーが一部商品を調理して提供する。
 開催前日の15日に現地でオープニングセレモニーを開催し、挨拶した服部真也社長は、「東京開催時の反響を受け、『大阪でもぜひ開催してほしい』との要望をたくさんいただいた。常に消費者の行動の変化を捉え、小売、メーカーとの連携を引き続き強化していきたい」とコメントした。
 メーカー代表として味の素冷凍食品・金山浩志氏や電子レンジ等で協力したシャープの永田康人氏が挨拶したほか、冷凍食品ジャーナリストの山本純子氏を迎えたトークショーも行われた。
 淵之上明生執行役員商品統括・マーケティング管掌は、「『チン!するレストラン』企画を通じて、冷凍食品の認知拡大につなげていきたい」とした。
 「チン!するレストランin大阪」は、6月16日~7月2日の17日間実施される。現在受付中の前期予約は「土日がほぼ満席、平日に少し空きがある状況」(同社)。

会社所在地

〒160-0008
東京都新宿区三栄町24番地
黒田ビル2階