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今週のヘッドライン|2023年5月第5週号

中国で介護食事業を展開 ―― マルハニチロ

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介護良食ブランドで展開

 マルハニチロは22日、中国で介護食事業を本格展開すると発表した。中国現地のグループ会社及び現地パートナー企業と協業で、同国市場での生産販売に向け本格的な取組みを開始する。日本企業に先駆けて、介護食の中国国内での生産体制を確立し、中国都市部を中心に①病院医療向け②シルバーサービス関連施設向け③在宅向けの3つの販売チャネルを開拓する。既に今年3月には各都市の総合病院などの医療食向けの販売をスタート、6月からはシルバーサービス関連施設向けに販売を開始する。

 中国で展開する介護食は、「介護良品」ブランドとして、医療ルート向けはお粥ゼリー、サーモンの塩焼きなど24種、シルバーサービスルート向けはお米ゼリー+酢豚など主菜、副菜のセットメニュー14種を提案。現地で好まれる味付けにし、冷凍ムース食・ゼリーでスタートする。
 生産は山東省にあるグループ企業・煙台日魯大食品有限公司(畜肉系商品を生産)と現地協力工場(魚系商品を生産)の2拠点。いずれも日本向け介護食の生産を行うなど実績がある。マルハニチロでは商品開発、技術指導や販売企画・管理・販促支援などを行い、販売は、現地パートナー企業を含む代理店が医療関連、シルバーサービス、リテールなどの各ルートに販売する。
 中国では2035年には60歳以上の人口が4億人を超える見通しであり、高齢者向け食品の需要が高まることが予想される。中国では、まだ「介護食」という概念がなく、粗食力や嚥下機能低下の高齢者に対して、段階的に粘度や固さを変えた食べやすい病院医療施設はなく、在宅介護向け商品のラインアップも限られており、今後高齢者向け食品市場は急成長が見込まれている。
 濱崎日出男食材流通ユニットメディケア・コントラクト営業部長は今回の中国展開について、「介護食の海外展開はメディケアの命題であり、模索していた。今回、中国で現地の医療系に強いパートナーとコンタクトでき、中国の介護食の現状、将来性などを可能性があるとして現地生産、販売を決めた。我々が日本で培ってきた知見、ノウハウを共有し社会に貢献できる事業にしたい」としている。現地では「介護食」はまだまだ認知が低く、認知の拡大、啓蒙などを含め市場を開拓していく。
 マルハニチログループの国内介護食は売上高64億6200万円(23年3月期、ヤヨイサンフーズを含む)。中国事業では具体的な販売目標は公表していないが、「5~6年で日本国内と同規模にしたい」(同)としている。
 また、中国以外での介護食品の展開も引き続き検討するとしている。

新会長にニッスイ中井氏 ―― 輸入冷凍野菜品質安全協議会

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中井会長

 輸入冷凍野菜品質安全協議会(凍菜協)は22日、東京・品川のTKP品川カンファレンスセンターで第20回総会を開いた。総会では役員改選を諮り、新会長に中井清典ニッスイ品質保証部部長が就任した。川﨑順司会長は顧問に就いた。
 中井新会長は就任の挨拶として「凍菜協は輸入冷凍野菜の安全性を担保するために発足した会だが、農薬の違反などもほぼ見られなくなり、コロナ禍による分断の3年間が終わったことで、会の在り方や活動を考えるべき時期を迎えたと感じている。会員の皆様にご意見を賜り、会としての方向性を見定めながら、業界の発展に寄与する活動に取り組んでいきたい」と語った。
 中井清典(なかい・きよのり)新会長は1965年5月16日生まれ。埼玉県出身。東京海洋大学大学院卒業。ニッスイ入社後、生産・品質保証部門を歩み、小野川工場長、姫路総合工場長、八王子総合工場長、食品生産推進部長、ハチカン副社長などを歴任した。趣味は自宅近くの農園での野菜栽培。

●台湾会議などを現地開催

 総会では、令和4年度の事業報告、同収支報告、今年度の事業計画案及び予算案を諮り、満場一致で可決した。今年度事業として、日中安全会議(11月上旬、中国、幹部会議もしくは全体会議)、日台会議(12月上旬、台湾)、日台冷凍農産品貿易懇談会(24年3月上旬、幕張)の開催などを予定している。
 また、総会終了後に顧問に就任した川﨑順司会長が「近年、凍菜協は容器包装のポジティブリスト制度についての情報共有や行政への働きかけなどを実施してきた。業界全体の発展に寄与する活動ができる体制が整ったと感じている。今後は、時代の変化に合わせた新たな活動にも取り組みながら、会を発展・成長させていきたい」と挨拶した。
 総会後の講演会では、生労働省医薬・生活衛生局食品監視安全課輸入食品安全対策室の白坂信和輸出国査察専門官が、「令和5年度の輸入食品監視指導計画について」と題した講演を実施した。

新生FFA掲げる ―― 味の素冷凍食品・寺本社長

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 味の素冷凍食品は、24日東京東銀座の同本社で専門誌を対象に「2022年度業績報告会」を開催した。
 冒頭寺本社長が22年度業績概要及び23年の取り組みを要旨以下の通り述べた。
 2022年度は、一言でいえば、大激動の1年だった。原燃料の高騰、原材料の調達難、さらに円安による為替の影響。これらにより約44億円のビハインドとなった。加えて生産要員の確保など人材確保が大変難しくなってきている。
 当社独自のトピックスは、昨年の11月の「ザ★シュウマイ」の製品回収、また3月末、50年の歴史がある大阪工場を閉鎖し、同時に千葉の米飯工場に米飯ラインを新設したこと。どれも非常に判断が難しく、簡単ではない課題であったが、迅速かつ丁寧に対応できた。
 業績に目を向けると22年度の売上、利益ともに牽引したのが主に中国とタイの工場から欧米に供給している商品だ。コロナ禍にあっても欧米の旺盛な需要に、製品供給を継続できたことが数字を牽引した。コロナ禍の中苦戦したフードサービス事業は22年度後半からマーケット自体が回復基調に転じ、当社もそれまでの事業構造強化と掛け算で非常に力強く開口している。一方で家庭用は1年半に3回価格改定を行い、残念ながら店頭回転が落ちたこと、さらにコロナ特需の反動もあり、冷凍食品全体が伸長する中ではやや厳しかった。23年度大きな課題だ。
 23年度から味の素G全体が中期計画の策定を中止し30年に向け高い目標を掲げ「2030ロードマップ」を策定し年度予算を組み、迅速に環境変化に対応してくという方針で進めている。FFAも同様の考え方でロードマップを作成し、これに合わせ、ビジョン、ミッション、マネジメントポリシー、さらに非正規雇用の社員も含め共に働く仲間が、一つの目標を一つの志のもとに進んでくべく、新たにカンパニースローガンを作成した。
 23年度は味の素Gとして新しい方針のもとで、高い目標に向かってチャレンジする。ただし、その背景にある市場の環境、生活者のニーズが急激に変化し多様化している状況下、これまでのやり方の延長線上ではついていけない。新生FFAを掲げ、新しい考え方を基に戦略を構築しスタートしたい。

●22年度通期実績増収増益

 売上高1057億円(計画比2%増)、事業利益73億円(同1%増)。その内家庭用売上高前期比99%、業務用同109%、キーアカウント同99%、海外129%。海外(タイ、中国、欧州)の売上高伸長により増収増益も国内は減益。家庭用の商品ではギョーザ類、シュウマイ類、野菜デリ類が好調も米飯、チキン類は苦戦。

斡旋実績57億円に ―― 協同組合関東給食会

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あいさつする平井理事長

 協同組合関東給食会(平井昌一理事長)は23日、東京・品川の品川プリンスホテルで「第57回通常総会」を開いた。第57期の斡旋・物資供給事業実績は57億1951万円(前期比9%増)を達成。第58期は59億円を目指す。
 前期はまた、「関給21世紀ビジョン」の見直し・再策定に向け新ビジョン策定部会を設置。2030年をゴールとする「関給ビジョン2030」を策定した。
 新ビジョンでは、スローガン「つなぐ関給」、コンセプト「未来担う子ども達のために」のもと、6つのビジョンの実現に向けた組合活動を進めていく。
 挨拶に立った平井理事長は、「57期はここのところ長らく目標としてきた55億円を上回り、予算比でも4%増を達成した。これには、政府の地方創生臨時交付金の活用メニューの中に学校給食費の保護者負担軽減を取り上げてもらった効果が大きかった。『関給ビジョン2030』は、組合員が自ら考え、策定した。これからも、『つなぐ関給』の精神のもと、事業を推進していく」とした。
 来賓祝辞は高橋慎一東京都産業労働局農林水産部食料安全課長、塚田荘一郎日東ベスト社長、乾杯発生は竹永雅彦ニチレイフーズ社長、中締めは中込武文副理事長。
 役員改選では、監事に秋元理審富士食品社長が就任、長舩宏昭事務局長が専務理事に昇任した。

会社所在地

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