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今週のヘッドライン|2022年12月第3週号

22年国内生産1%増、161~163万t見込む ―― (一社)日本冷凍食品協会

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大櫛会長

 (一社)日本冷凍食品協会の大櫛顕也会長は7日、東京・築地のニチレイ本社で年末会見を行った。大櫛会長は2022年の冷凍食品業界動向について、「家庭用は、コロナ特需は落ち着いたが、引き続き堅調であり、前年同月比100%を超えで推移している。これは新規利用者やリピーターが増加している結果である。また、自動販売機や百貨店で高級冷凍調理品を販売する動きがみられ、家庭用市場の拡大に貢献している」とした。22年1~12月の国内生産高については、前年比101%、161~163万tを見込むとした。

 大櫛会長は2022年の冷凍食品業界の動向について、「家庭用はコロナ特需は落ち着いたが、引き続き堅調であり、前年同月比100%を超で推移している。これは新規利用者やリピーターが増加している結果だ。また、自動販売機や百貨店で高級冷凍調理品を販売する動きがみられ、家庭用市場の拡大に貢献している」としながら、「しかし一方で、冷凍食品の範疇ではなく、惣菜半製品や冷凍品として流通しているケースもある。品質衛生上のリスクを懸念している。協会としては、認定証マークの認知を進めていきたい」とした。
 業務用については、「外食、旅行関連は徐々に回復している。特に外食は、居酒屋以外は好調だが全体としてはコロナ前には戻っていない。今後は国内外の旅行者増加や外食の回復に期待できる」とした。
 今後の冷凍食品のマーケットについては、「単身世帯、二人世帯が増加しており、食の外部化が進んでいく。コロナ禍の中で冷凍食品の価値、簡便性や食品ロスが少ないなどの視点で購入されている生活者も増えている。課題は、コスト上昇にどう対応していくかだ。原料調達コスト、エネルギーコスト、円安のトリプルコストであり、各社自助努力では限界がある。価格改定を進めているが、コストアップ分を十分転嫁できない状況だ」とした。
 価格改定後の消費動向については、「食品は生活必需品で、冷凍食品の価格弾力性は低いとみている。一時的に数量減もあるだろうが、過去の価格改定の状況を見ても短期で戻っており、長い目で見れば大きな落ち込みはないと思う」とした。
 環境対応では、「11月に『冷凍食品業界における第2次環境行動自主計画』を公表し、エネルギーの消費原単位を毎年1%削減、廃棄物の発生抑制、冷媒については代替フロンHFCの削減目標を新たに設定した。また、4月にプラスチック資源循環促進法(プラ新法)が施行されたが、プラスチック容器の環境配慮設計やそれに伴う優良認定基準の作成作業に取り組んでいる」とした。協会事業については広報事業、品質・技術事業の2本柱について、「当初の計画通りにできた」と総括した。
 なお、2022年1~12月の冷凍食品の国内生産高の見込みを発表、「若干であるが前年を上回る見込みで、161~163万t、前年比で101%を見込んでいる」とした。

成長ドライバーとして海外、冷食・介護を強化 ―― マルハニチロ・池見社長

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 マルハニチロは6日、東京・豊洲の本社で年末記者会見を開き、池見賢社長が事業概況、今後の経営方針などについて要旨以下の通り述べた。
 当社は今年3月に新中期経営計画「海といのちの未来をつくる MNV2024」を公表した。経済価値・環境価値・社会価値の平仄を同じ目線で高めることでMNV(マルハニチロバリュー)の最大化を目指すことを宣言した。
 世界ナンバーワンの水産会社としての強みを生かし、総合食品企業として飛躍するために、水産・食品の枠を超えたバリューチェーンの価値最大化を目指した組織改編を行い、食材流通セグメントを新たに設けた。顧客起点でチャネル別販売機能を強化し、多様な食材流通の機能を統合し、顧客価値創造を加速させていく。事業における象徴的な取組では、①北米スケソウダラ漁獲枠の追加取得②欧州での水産物流通及び販売強化③サーモン陸上養殖の取組みとブルーボンド発行を挙げる。
 第2四半期の業績概況は、売上から利益段階いずれも過去最高の結果となった。なお9月に発生した広島工場の火災については上期に22億円の特別損失を計上した。
 来年も引き続きコスト高の環境は変わらず、相場のアップによる買い控えなどこれまで以上に厳しい環境になると想定している。11月30日に来年2月1日付で市販用・業務用ほぼすべてのカテゴリーで値上げを実施することを発表した。度重なる値上げをいかに浸透させるかが課題となる。
 その中で、中計で掲げてる成長ドライバー領域として、①海外市場への展開拡大②冷凍食品・介護食品の強化を積極的に推進する。
 海外市場への展開拡大では、北米スケソウダラ漁獲枠拡大、欧州での水産物流通、販売強化に加え、今年3月には米国ワッフルワッフル社への出資で本格的に米国冷凍食品市場に参入した。
 冷凍食品・介護食品については、国内市場を中心に生活スタイルの変化・多様化に起因した社会的ニーズが増大している。少子高齢化、医療介護施設の人手不足など介護食品へのニーズも増大しており、更なる成長を見込んでいる。開発力、技術力を更に磨いて、商品ラインアップを拡充し、お客様に更に価値ある商品を提供するとともに、次世代の収益源として事業拡大を力強く推進する。

来年2月以降に価格改定へ ―― パン粉各社

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關理事長

 パン粉業界がエネルギーや原料コストの増等で苦慮している。このほど全国パン粉工業協同組合連合会は記者会見を開き、パン粉業界の現状を説明した。
 会見には關全男理事長(フライスター社長)、小澤幸市理事(富士パン粉工業社長)、藤川満専務理事が出席した。
 パン粉業界は長年の慣習により、年2回の小麦粉価格を基準に製品価格改定を実施してきた。副資材等の粉以外のコストも粉価の上り下がりで調整してきた。しかし近年では粉価以外の副資材、物流、人件費等の価格の構成比が高まっており、昨年より粉価+その他コストでの製品価格改定を行ってきた。今秋の粉価は政府主導により据え置きが決定しているが、粉価以外のコスト、とりわけ電力・ガス料金の高騰が著しく、「各社とも利益は殆ど出ない状態が続いている」(關理事長)としている。各社では粉価は据え置きとなっているが、それ以外のコストを分別して転嫁を行う意向としている。組合が把握している状況では、業務用の乾燥パン粉でキロ20円前後、生パン粉で同15円前後、家庭用は乾燥パン粉でキロ15円程度を2月1日頃から各社価格改定を行う見込みだとしている。
 小澤理事は「長年にわたる我々の怠慢も少なからずあり、価格が低い状態のままだ。衛生管理コストも年々かさむ。利益が出なければ設備更新もできない。今後もますます業界の存続にとって大切な時期だ。再投資ができる適正価格の販売にご理解いただきたい」としている。關理事長は、「過去の石油ショック、ニクソンショック、リーマンショックとこの70~80年間の間での一番大変な危機的状況。コロナ、円安、小麦粉高騰はインパクトがある。業界の現状をご理解いただきたい」とした。

「ギョーザ」が3年連続GP ―― 日本アクセス・フローズン・アワード

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佐々木社長(左)と味の素冷食・土田伸一首都圏リテール営業部長

 日本アクセスは12日、東京・西品川の同社本社で、「第10回フローズン・アワード」表彰式が行われ、冷凍食品部門のグランプリには「ギョーザ」(味の素冷凍食品)が選ばれた。同商品のグランプリ受賞は3年連続で、4回目のグランプリとなる。
 佐々木淳一社長は、「2013年に第1回を開催、メーカー、小売、消費者で業界を盛り上げてきた。今回は投票のシステムの変更で投票件数は、前回を下回ったが、動画閲覧数は過去最高だった。また参加メーカーも60社と過去最大。新規も15社ある。エントリー件数も253品と過去最大だ。ウィズコロナの中を十分に意識した事業展開で活性化を図っていきたい」とした。

■「チン!するレストラン」も盛況

 フローズン・アワード10周年特別企画として東京・秋葉原のヨドバシAkibaで10月8日~23日まで期間限定で行った冷凍食品・アイスの食べ放題「チン!するレストラン」は、期間中2173名が利用、キャンセル待ちが7000~8000人と大盛況とした。

青の洞窟3年ぶりに ―― 日清製粉ウェルナ

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点灯式

 日清製粉ウェルナが特別協賛するイルミネーションイベント「青の洞窟 SHIBUYA」が8日~25日まで開催されている。同イベントは日本有数の情報発信都市・渋谷(渋谷公園通りから代々木公園ケヤキ並木)が青色LEDによって彩られるイルミネーションイベントで、2019年以来3年ぶりの開催となる。今年は、代々木公園ケヤキ並木会場に巨大なクリスマスカードが設置された。
 開催に先立ち7日に行われた点灯式には小池祐司取締役社長、川原惠渋谷公園通商店街振興組合理事長、佐藤伸朗(公財)東京都公園協会理事長が出席、特別ゲストとして“青いサンタ”も登場した。
 小池社長は「イベントを通じ当社〈ウェルナ〉ブランドとともに〈青の洞窟〉ブランドを知っていただき、様々な販促・施策を打つことでブランドを育成強化したい。日々変わっていく渋谷を盛り上げ、来場した皆様に素敵な思い出を残してほしい」とした。

会社所在地

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