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今週のヘッドライン|2022年10月第5週号

給食を支える機能強化 ―― 泉平・泉周作社長会見

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泉社長
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基本の泉平献立コーナー

 泉平(泉周作社長)は22日、兵庫・姫路市のアクリエひめじで「第51回FOOD FAIR~支える。持続可能なフードサービス~」を開催した。フェア開催に合わせて記者会見した泉社長は、「選択して提案する“商品の強み”と、アソートして届ける“物流の強み”という2つの機能を併せて提供する」と述べ、フードサービスを支える新たな基本献立機能、およびその波及する効果など、これからの経営方向を語った。

 ウイズコロナの新しい環境となり、購買行動が変わった。これを受けて、今回のフェアのタイトルは『支える。創る。持続可能なフードサービス』とした。一部のユーザーの意識は先を見据えた食材の安定供給に向いている。
 その中で当社は、選択して提案する“商品の強み”と、きちんとアソートして届ける“物流の強み”という2つの機能があり、これらを併せて提供していく。
 『支える。』という点では、人手不足、人件費高騰を機に、業務負荷を軽減するソリューションが食材の面からも求められている。これについては、デジタル発注、基本献立の食数発注など、「給食調理のプロセスにもっと関与する」ことを考えていく。
 新サービスの「基本の泉平献立」は、栄養士を置かなくても運営できる規模の事業所にはまっており非常に好評だ。「人(調理員)さえいればやれるのに」という給食事業所は多いが人は居ない。献立ノウハウが蓄積されればもっと対応を強化できるだろう。
 さらに、アイテムの絞り込みにもつなげられるだろう。当社は現在、年間約2万アイテムを扱っているが、良く動いてコアにしたいのは6000~7000アイテムであり、そこに収めていきたい。
 なお、PBは約700アイテムを動かしており増えている。PBの価値を守るのは極めて大切だ。
 献立販売をして面白いのは、月間300アイテム行かない所。献立販売・PB注力・アイテム絞り込みを連動させて、バラツキを抑制していきたい。
 『持続可能なフードサービス』という点では少し目線を上げて、当社はパートナーだという関係を成立させたいという狙いを込めた。CO2排出量を削減するエコ物流や、学給でのSDGsの切り口など、実際にやっていることが増えて厚みが増しており、どの目線で当社が物事を捉えているのかを表現した。
 これからは、コスト優位とボリュームで売る商売ではなくなる。“食材流通の役割”を意識しながらやっていく。同時に、売る感覚、特に値入れの感覚は磨き直さなくてはならない。
 今期実績は、4~9月で売上高84億円(前期比106%)、増収増益で進捗している。コロナ前の2019年実績を上回り、予算もクリアしているが、値上げやコロナからのリバウンドを考えると、本来は2桁増でふつうだろう。
 エリア別には、岡山の拠点がうまく機能し、福岡は昨対112%、メディカルが伸びている。阪神間は後半実績が付いてくる予定になっている。

関東で1244億計画、外食・業務用卸に投資も ―― 旭食品

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竹内副社長

 旭食品東京支社の有力仕入先で構成する関東旭友会(会長=和田見大作味の素執行理事東京支社長)は20日、東京・目黒のホテル雅叙園東京で「第5回関東旭友会総会」を開いた。旭食品の竹内慎副社長東日本エリア管掌は、関東エリアの取組、今期見込みなど要旨以下の通り述べた。
 関東エリアは東京支社(首都圏支店、関東支店)と外食事業本部(旭フードサービス関東、大倉、かいせい物産)で構成する。2021年3月期業績は売上高1140億円で着地。今期の計画は売上高1244億円(前期比9・1%増)としており、外食市場の回復とSM・ドラッグストアの伸長で8年連続の増収となる見込みだ。
 上期で予算比101~102%で推移しており順調に推移している。経常利益は15億2900万円(17・4%増)を計画する。総合食品卸の伸長と、業務卸の利益回復を見込んでいる。下期は、値上げ対応が最大の取組だが、懸念すべきは電気代の高騰だ。コストコントロールに注力する。
 主な取組では、レシピ動画による売場連動の販促手法を確立していく。22年8月にレシピ動画サイト運営のエブリー社へ出資しており、特に関東の得意先は同社のサイネージを導入している。センター投資では、21年9月に埼玉県に春日部センター(常温)、22年3月に群馬県に玉村センター(常温)を新設した。既存の埼玉センターは、新規帳合増や冷凍食品の取り扱い増加に対応するため21年11月に同センターの常温倉庫を冷凍庫に変更した。また、土浦低温センターに冷凍庫増設した。
 外食事業本部では、かいせい物産は22年8月に足立事務所開設、大倉は旭食品グループのデリカサラダボーイから水産物加工業のえひめ工場を移管し、大倉えひめ工場とした。また、大倉は22年4月に沖縄、22年11月に静岡、23年4月に札幌に営業所を開設し、全国ネットワーク網を拡充する。
 関東エリアの中期目標は、25年度売上高1500億円、経常利益20億円を計画する。総合食品卸としてフルライン化をさらに推進。酒類・菓子・冷菓などの開拓・提携先の模索を行うほか、アフターコロナを見据えた外食・業務卸部門に積極的な投資を進める。

2社で新商品24品、業務用、冷凍小売品を拡充 ―― 伊藤ハム米久ホールディングス

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470gタイプを拡充
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手包み感ある水餃子


伊藤ハム 名店監修からあげ

 伊藤ハム米久ホールディングスは19日、東京・目黒の本社で、業務用新商品発表会を開き、伊藤ハム、米久それぞれの商品を紹介した。
 2社が合同で発表会を開催するのは初となる。
 伊藤ハムの業務用新商品は、①選択肢あるベーシック商品のラインアップの強化②新たな価値観・生活者意識への対応③オペレーション課題解決商品の強化の3点を基本戦略に、新商品18品、リニューアル22品を提案する。
 冷凍品では「NVあらびきポークウィンナー」などベーシック商品をベーカリー・外食向けに提案するほか、精肉売場、外食向け等に「炭火焼鶏もも三色野菜巻きスライス」、〈名店監修からあげ〉シリーズに「ジョニーのからあげ」「中華からあげもり山」を追加する。
 大豆ミート商品では、「ハンバーグ」「ミートナゲット」に続く第3弾として惣菜売場で人気のから揚げ商材「大豆ミートからあげ1000g」をラインアップした。
 同社の業務用は精肉・惣菜売場向けにフロチル対応品を中心に展開しているが、家庭用需要も考慮した冷凍小売販売商品として「名店監修からあげ(加熱済)」(470g)シリーズ、IQFシリーズの「ベーコン」「ボロニアソーセージ」、「やわらか仕立てハンバーグ95」などレギュラーサイズのハンバーグなども強化した。

米久 水餃子両面ぷっくりと

 米久の業務用新商品は、①物価上昇対策②オペレーションの効率化③惣菜部向け商品の強化の3点を基本テーマに、新商品6品、リニューアル9品を投入する。保管温度は冷凍帯だが、フロチルでの販売がメイン、一部冷凍のまま販売可能な対応にした。
 物価上昇対策では、精肉・惣菜売場向けに鶏肉を主原料に用いたリーズナブルな1個25gの「ちっちゃなハンバーグ1kg」を投入。「チヂミ」は既存のタイ産から中国に産地を変更した「チヂミ30/90」を惣菜向けに提案するほか、冷凍のままでも販売可能な商品設計にした。
 季節商材の強化では、主力の水餃子をブラッシュアップ。米久デリカフーズに新たな成型機などを導入し、両面がふくらみぷっくりした手包み感ある「もちっとつるんぷっくり水餃子(国産野菜、国産肉使用)」(1kg)を投入したほか、「ふかひれ入り水餃子」(480g)をリニューアル。フロチル品だが、冷凍食品として販売できる商品設計とした。

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