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今週のヘッドライン|2022年9月第2週号

22年秋冬家庭用新商品 昨年上回る151品 ―― 食卓で本格化進む

 2022年秋の家庭用冷凍食品新商品は本紙調べで27社から151品、リニューアル98品が投入された。新商品数は昨年の137品から14品の増加、リニューアル品は昨年の84品から14品の増加、ともに前年を上回った。家庭用冷食の注目度アップによる各社取り組み強化に加え、コスト高騰の中、既存主力品を中心に単価アップに繋がる品質強化が図られた。傾向としては「食卓」への提案は引き続き充実、本格化し、高品質化も一層進んだ。カテゴリーではハンバーグ、そして伸長が続くラーメン類に注目が集まった。

 Withコロナの中、家庭内の食事時間をいかに豊かなものにできるかが引き続き大きなテーマとなり、冷凍食品に対する期待も高まっている。そんな中、主力アイテムを中心に素材・製法にこだわった本格アイテムの提案が進んだ。
 “おうちで食べる餃子の最高峰”を主力の餃子で提案するのは味の素冷凍食品だ。また日清製粉ウェルナは高付加価値ブランド〈青の洞窟〉に、さらにワンランク上のメインディシュ、パスタソースを追加した。
 この秋、各社が積極的に取組んだのがハンバーグの品質強化。ニチレイフーズは牛肉と豚肉の黄金比を追求した「極上ハンバーグ」を投入、日本ハム冷凍食品は低温調理製法のハンバーグ2品、ハインツ日本も既存ハンバーグアイテムを一新した。また、日本水産はプレートメニュー新シリーズで白米×ハンバーグの組み合わせを提案している。
 ラーメンを中心とした冷凍麺類もアイテムが充実し、カテゴリー活性化が図られている。昨年、「冷やし中華」で麺カテゴリーに参入したニチレイフーズは、パーソナルユース対応商品第2弾として「極太つけ麺」を投入。マルハニチロは“麺カテゴリーの強化”を掲げ〈新中華街〉シリーズや有名店コラボの新商品を発売した。
 テーブルマークも〈お皿がいらない〉シリーズを引き続き強化。日清食品冷凍は冷凍ラーメンの新たな柱として値ごろ感のある〈ごくり〉を立ち上げた。
 注目のテイストは「鶏白湯」。マルハニチロ、テーブルマーク、日清食品冷凍、シマダヤが同テイストのアイテムを揃え、ラーメン以外ではエスフーズも「鶏白湯スープ」を投入した。
 トピックスはテーブルマークの冷凍パンカテゴリー再参入だ。山﨑製パン、敷島製パン、スタイルブレッドもコンスタントに新商品投入しており、売場定着に向け注目を集めている。
 またエアウォーターが家庭用冷凍食品に本格参入、冷凍ケーキ類を充実させた。(詳細を本紙に掲載)

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イオンウエルシア九州を設立 ―― イオン九州・ウエルシアHD

イオン九州の柴田社長(左)とウエルシアHD松本忠久社長
イオン九州の柴田社長(左)とウエルシアHD松本忠久社長

 イオン九州とウエルシアホールディングスは1日、合弁会社「イオンウエルシア九州株式会社」(福岡県福岡市、安倍俊也社長)を設立した。
 食品強化型のドラッグストアの出店を進める。福岡県内を皮切りに、店舗網を九州各エリアに広げる。2030年までに200店舗を出店し、売上高1800億円規模の企業に育てる。
 イオン九州は2021年を初年度とする中期経営計画において、「九州の成長と暮らしの豊かさ、持続可能な社会づくりに貢献する企業」を目指すために、「食の強化(SMの改革)」「非食品分野の専門化(GMS改革)」「DX推進」「環境・地域社会への貢献」の取組を進めている。合弁会社の設立は、生鮮・惣菜を含めたスーパーマーケット運営に関するイオン九州の知見と、調剤薬局の運営を含めたドラッグストア運営に関するウエルシアの知見を相互に共有し、双方に利益となる新業態を開発して運営することを目的に実施したもの。
 4月には両社の協業で「ウエルシア熊本麻生田店」を実験的にオープンしている。調剤薬局を併設するドラッグストアにSMの商品が入り、惣菜、弁当、生鮮品なども販売している。この店舗で培ったMDを新業態に活かす。
 柴田祐司イオン九州社長は「DgSの店舗のSMの品揃えを追加するのではなく、日用品から食品までがワンストップで揃う売場を作る。600m圏内の来店者が毎日通える店舗を展開したい」としている。
 【イオンウエルシア九州概要】
 ▽イオンウエルシア九州株式会社▽代表取締役社長:安倍俊也▽出資比率:イオン九州51%、ウエルシアホールディングス

埼玉新工場が稼働 ―― せき

埼玉新工場
埼玉新工場

 野菜加工大手のせき(関孝範社長)は6月1日、埼玉県深谷市の新埼玉工場を稼働した。
 埼玉県内の旧岡部工場、旧大戸工場の機能を統合した延床面積計約1075㎡の製造拠点。旧2工場で製造していたカット野菜などに加えて冷凍野菜の製造にも踏み切る。稼働当初の製造量は約10t/日で、内訳はカット野菜約8割、加工品約1割、原料向け約1割。今後は冷凍品を増産して全体の約4割程度に引き上げる。
 敷地面積約7000㎡の用地に冷凍野菜などを製造する第1工場、カット野菜などを製造する第2工場と、冷凍保管庫、冷蔵保管庫などを有する。将来的には敷地内の建設面積約600㎡の建屋を冷蔵・冷凍倉庫に改装する予定。同工場では冷凍品の第1弾として、家・業の冷凍きざみ長芋を製造している。

ニップン新商品が総合1位 ―― アクセス×クラシルGP

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 日本アクセスは1日、2022年秋冬「クラシルシェフが選ぶ新商品グランプリ」を発表した。同企画は、同社と料理レシピ動画サービスのクラシルが組んで2022年秋冬のイチオシ新商品を紹介するもの。
 クラシルに在籍する管理栄養士や食品衛生管理者、料理教室の先生など様々なスキルを持つ料理のプロ「クラシルシェフ」がエントリー商品を試食し、ランキングを決定する。結果は新商品グランプリの特設サイト、 クラシルアプリ内のコラム、クラシルアカウントでのInstagramライブで配信され、購買促進につなげる。
 総合部門の1位には「いまどきごはん2種盛りキーマ&トマトカレー」(ニップン)が選ばれた。冷凍食品部門では1位「いまどきごはん2種盛りキーマ&トマトカレー」(ニップン)、2位「まんぞくプレート ふっくらごはんと豚生姜焼き」(日本水産)、3位「日清ごくり。鶏白湯ラーメン」(日清食品冷凍)。

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