価値に見合う価格転嫁を ―― (一社)日本冷凍食品協会・藤江会長

(一社)日本冷凍食品協会の藤江太郎会長は9日、東京・銀座の味の素冷凍食品本社で、年末記者会見を開催、藤江会長は「冷凍食品は本当に高い価値を持っているが、価値に見合った価格の実現がなされていない」とした上で、価値に見合った適正な価格転嫁、賃上げと値上げによる景気の好循環を訴えた。また、協会会員に対する迅速な情報発信、物流、食品表示、協会運営など協調領域の取組身強化の3点を改めて重要な施策として挙げた。2025年1-12月の国内生産量については、前年並みの152~155万tを見込む。
藤江会長は要旨以下の通り述べた。
まず3点説明したい。一点目は、冷凍食品は本当に高い価値を持っているが、その価値に見合った価格の実現がなされていない。わかりやすい例で示すとビックマック指数がある。日本のビックマックが480円、米国は約900円だ。日本の冷凍食品(餃子)を例にとると、日本のビックマックの価格に対して冷凍食品のグラム価格は約4割、米国は約6割であり、他の国も同様の状況だ。少なくとも日本でも6割の価値は十分あると思う。
会長就任後あらゆる場所で賃上げと値上げで景気の好循環をと訴えてきた。適正な価格転嫁が可能な社会が多くの人が幸せになる。各社がコストダウンへの努力を行った上で価格転嫁をしっかり共有できる社会づくりに向けて、協会としても取組みをしていきたい。
二点目は変化への対応力の強化。「何が起きるか分からないことだけは分かる」。協会として、様々な変化の情報を迅速に把握し、加盟企業へ発信、迅速対応を支援を行っていく。
三点目は、協調領域の取組み強化だ。環境、物流、食品表示、協会運営の4つについては、非競争領域として取組を推進したい。
藤江会長は、25年度の冷凍食品市場については、「上期は数量微減も金額は増加。通年では数量は前年並み、金額は増加を見込む。米価格高騰を受け主食用商品が好調。ワンプレート型などの高付加価値商品も伸びている。単身世帯の増加、女性の社会参画などにより、時短・簡便ニーズが高まり、需要は今後も拡大する見込みだ。業務用市場は、学校給食、中食、外食産業での人手不足やインバウンド増加を背景に、需要は堅調に推移。価格改定による需要の落ち込みは家庭用に比べて少ない傾向にある」との認識を示した。
協調分野の物流については「D+2への対応、予約システム、パレット活用の推進などを冷凍食品DFF研究会で協議していく。冷凍食品は手積み、手降ろしが多い業界だが、2024年問題以降、運んでもらえなくなることを認識すべきだ。パレットの統一化も進めるべきだが、まずはパレット物流比率を高めていきたい」とした。
■25年の国内生産、152~155万t予想
藤江会長は2025年1-12月の国内生産の見込みについて、「2025年1~10月までの認定数量は98.3%。上期は家庭用は減少、業務用はやや増加、全体では若干減少しているが、下期は各社が販売促進を強化することなど認定数量と聞き取り結果を総合して年間で、数量にして152~155万tを見込む。対前年比では100±1%の見込みだ。金額ベースでは、価格改定もあり前年プラスを見込む」と示した。
既存店改装最重点に、惣菜とともに冷食拡大 ―― ヨーク・ホールディングス・石橋社長

ヨーク・ホールディングスの石橋誠一郎社長は5日、東京・八重洲で業界紙向けに開催された記者懇談会において、首都圏での成長戦略、グループ変革における7つのプロジェクト等について説明した。
首都圏での成長戦略では、「新店投資よりも既存店をどれだけ磨き上げるかが最優先事項。2028年までに改装50店舗以上、イトーヨーカ堂についてはこれを一丁目一番地で実施していく」とした。その上で「既存店に磨きをかけるために、それぞれの事業分野にリソースを集中させる。今現在、イトーヨーカ堂はGMSを展開しているが、今後はCSC(コミュニティーショッピングセンター)として、地域のお客様になくてはならない店舗を目指す」とした。
改装については惣菜を最重点部門とし、今後、売上構成比15%を目指していく。加えて「もうひとつ大きいのが冷凍食品の売場。これはどうしても大型改装でないとなかなかできない。大型改装の際に冷凍食品売場を広げるということは確実にやらせていただく」とし、冷食売場拡大にも注力していく方針を明らかにした。
■グループで原料共通化
7つのプロジェクトとして掲げたのは①ITコスト最適化②事業移管計画・検証③調達(各社横断)④プライジングロス改善⑤セントラルキッチンの連携⑥スーパー向けセブンプレミアム商品の開発拡大⑦事業構造改革施策の徹底。
中でも③調達については、「原材料の統一ということで、イトーヨーカ堂、ヨークベニマル、工場であるピースデリの原料、そしてレストラン事業のデニーズで共通化原料にすることでコストダウンと事業品質向上をグループ一体で図っていく。特にセントラルキッチン(CK)については、ヨークベニマルの工場とヨーカ堂のピースデリでいかに連携を取り、相互利用を進めていくかが重要だ。レストラン機能のデニーズもCKを持たない会社であり、全て店内で調理している。ここで、ピースデリを含めた一次加工品が供給できればデニーズの中でも生産性向上につながる」とした。
台湾で辛い円盤餃子を発売 ―― イートアンドフーズ

焼き餃子市場の裾野を広げる
イートアンドフーズは5日、台湾の大手量販店「全聯福利中心(Pxmart)」全店で、新商品「大阪王将 唐辛起司冰花煎餃」(日本語名:唐辛子チーズの羽根つき餃子)の販売を開始したと発表した。
イートアンドグループは、台湾に現在、大阪王将の店舗が19店舗展開。2023年10月から開始した台湾で冷凍餃子の販売をスタート。現在、焼き餃子2品、水餃子2品、鍋セット1品の計5品を販売してきた。水餃子文化の根強い台湾でも、日本式焼餃子の簡便性と食感が支持され、取り扱い店舗は増加。2024年に投入した水・油不要でフライパンにのせて焼くだけの『冰花圓盤煎餃』は、円盤状に仕上がるユニークさがSNSでも話題となり、焼餃子市場の裾野を広げた。
今回発売する新商品は同シリーズの辛味系フレーバーで、唐辛子をベースに甜麺醤・豆板醤・コチュジャンの3種の醤とラー油を加えた餡が特徴となっている。
販売は台湾全土で約1200店を展開するPxmartが中心。規格は260g(10個+チーズ1袋)。参考価格は139元。