海外を伸ばし国内も深堀り 食文化の創出を商品で支える ―― 理研ビタミン・望月社長

理研ビタミンは6月、望月敦社長が就任した。同社は今中期経営計画で海外事業を伸ばし、国内事業も深掘りする方針を表明。海外では特にスペシャリティ製品の基幹工場である「リケビタ・マレーシア」の製造能力の増強などに、国内では省人化の設備などに対して、前中計の2.5倍に当たる250億円を投資する。新体制の下で、2034年がゴールとなる中長期ビジョンで示した定量目標の達成に向けて邁進していく。
理研ビタミンの新社長に就任した望月敦社長は本紙取材に応え、今年度を期初とする新中計の概要、今後の事業戦略などについての概要を次の通り述べた。
当社は今年5月に「中期経営計画2027」を公表した。新中計は2034年に当社の在るべき姿を示した中長期ビジョンで掲げる定量目標、売上高1350億円、営業利益135億円、海外売上高比率35%、ROE10~12%─の達成に向けて基盤を固める期間になる。高い目標を達成できるだけの土台を山木一彦会長(前社長)が築き、私がバトンを引き継いだと認識している。
目標の達成に向けて、前中計の2.5倍に当たる250億円を設備投資する。海外はスペシャリティ製品の生産拡大などに、国内は老朽化や省人化対応などに積極的に資本を投じる。国内はどの分野のどのラインに投資するのが効果的かということも見極めながら取り組みを進めたい。
今後の事業戦略について、海外は中国、東南アジア、北米の成長に注力する。特に、乳化剤やスペシャリティ製品の基幹工場である「リケビタ・マレーシア」の製造能力増強に重点的に資本を振り分ける。北米では引き合いが強まっているラーメンの冷凍スープの製造能力を増強し、売上の新たな柱に育てたい。中長期的な成長性が高く、開発部門が挑戦する領域も広げられる海外への傾注は、企業として自然な流れだと感じている。国内外の部門が有機的に連動できる新たな体制も構築しながら、全社が一丸となって成長に邁進していきたい。
国内は当社にとってすべての事業の根幹となる重要な領域だ。人口減少などの問題はあるものの、食品ロスや人手不足などの課題が顕在化する中で、新たな商機も生まれると感じている。売上の拡大には、当社のブランドを支える市販用と、市場のニーズとトレンドを捉える業務用をはじめとしたBtoB部門が互いのノウハウを取り入れながら、商品を売るための仕組みを進化させることが重要になる。市・業の各部門が共に連携し、知見を学び合いながら、国内市場を深掘りしていきたい。
当社の主力事業のひとつである海藻も事業領域を広げたい。三陸産の冷凍わかめの製造量は一昨年の水準に至っていないものの、新たな商材の冷凍もずくに対して幅広い業態から引き合いが強まっている。健康志向に対応でき、汎用性も高い有望な素材だ。味付け済みのタイプなど、商品開発に取組んで育成していく。
時代によって市場の環境が変わりトレンドも移ろうが、美味しい食事を食べたいという生活者の想いは普遍的なものだ。当社は、業界の各社が味わいに優れたメニューで新たな食文化を創出するお手伝いをしたいと考えている。多様な課題を解決できる幅広い商品を取り揃えている。何かお困りごとがあれば、ぜひお声をかけて頂ければ幸いだ。
破砕包装の冷凍うどんを発売 ―― イオンとテーブルマーク

白塚イオン商品調達社長(左)と松田テーブルマーク社長
イオンは3日から5日の3日間、環境配慮型商品や環境をテーマとした商品を訴求する取組として、グループの21社で第4回「えらぼう。未来に繋がる今を」フェアを開催した。同フェアでは、テーブルマークがパックご飯の製造時に発生する破砕米(ライスレジン)を容器包装に使用した冷凍うどんを数量限定で発売した。
パッケージのおよそ10%をライスレジン由来の原料に置き換えた。パックご飯では既に同様の取り組みが進んでいるが、冷凍うどんは固くて角があるために包装が破れやすく、開発に3カ月の期間を要したという。テーブルマークは今回の取り組みを他の冷凍食品にも広げるための研究を継続する方針だ。
フェアに併せて全国10カ所に特別催事場を設けて環境配慮型商品を訴求。3日には埼玉県越谷市の「イオンレイクタウンmori」の催事場で取材会を開催し、松田要輔テーブルマーク社長、白塚庸浩イオン商品調達社長が登壇した。
松田社長は「今回のフェアでは当社の環境配慮の取り組みを伝えられる素晴らしい機会を頂いた。ライスレジンを使った包装は、米不足が深刻化する中で、時代に即した取り組だとご評価頂いている。他の商品にも広げられるように研究を重ねていく」とした。
白塚社長は「当社は今後、トップバリュのすべての商品を環境配慮型商品にするという目標を立てている。来店者が選ぶ商品の一つひとつが地球の未来を変える可能性がある。フェアで当社の取り組みをしっかりと伝えていく」とした。
同店ではイオンが取り扱う環境配慮型商品6500品のうち、29社の商品を取組の内容を伝えるPOPも掲示して集中展開した。冷凍食品は、容器包装のプラスティックを削減したニチレイフーズの「4種のチーズドリア」「エビとチーズのグラタン」も展示した。
新理事長に関孝範理事 ―― (一社)日本野菜協会

関新理事長
(一社)日本野菜協会は、都内で臨時総会を開催、委任状も含め定数が参加した。
今回の臨時総会は中野亘代表理事の辞任に伴い理事会で選任された新代表理事の承認を図るもので、満場一致で関孝範理事の代表理事就任が承認された。
関孝範新理事は「先般、中野亘代表理事から一身上の都合により退任したいとの申し出を受けた。任期半ばということもあり強く慰留したものの、御本人の意志は固く、理事会に諮り承認を得、その後、新代表理事として私が推挙され、熟慮を重ねた上で就任することを決意し、本日会員各位の承認を得る運びとなった。理事長就任に当たり、まずもって長きにわたって当協会を牽引して頂いた中野亘会長に心から感謝を申し上げたい。当会は前身の野菜流通加工協議会以来、中野理事長と私が中心となり、生産、加工、流通に限らず国産野菜に関係する様々な業種の方々と手を携え、偏に国産野菜、日本農業の課題解決、一層の発展を期して日々活動してきた。わずか十数社で始まった会員数も200社を超えるまでに成長した。時に喧嘩をしながらも当協会がここまで成長できたのは中野前理事長のリーダーシップの賜物と痛感している。今後も前理事長の意思を引き継ぎながら、皆様のお力を拝借しさらなる発展を目指して、微力ではあるが全力を尽くしていきたいと考えている。更なるご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げる」と挨拶した。
その後通常研修会が行われ冒頭、来賓として自民党農林部の上月良祐参議院議員が挨拶した。
同会では、大西健介農林水産省園芸作物課園芸流通加工室課長補佐による「国産野菜プロジェクトの進捗状況」、渡邉浩史農林水産省大臣官房新事業・食品産業部企画グループ長による「国産野菜プロジェクトの進捗状況」、岡野照彦株式会社ドラEVER代表取締役による「物流部会の進捗・今後の物流の課題」の3講演を実施。新入会員の紹介も行った。
閉会後は東京・築地のシュマッツ・ビア・ダイニング 銀座松竹スクエア店に会場を移して恒例の名刺交換会も実施した。