個食ニーズへの対応進む ―― 2025年・秋冬家庭用新商品
2025年秋の家庭用新商品は本紙調べで21社から121品、リニューアル品92品が投入された。昨年は新商品・リニューアル品ともに減少傾向から一転、増加傾向にあったが、ここにきて再び絞り込みが進んだ(24年秋は新商品134品、リニューアル129品※集計メーカー24社)。今秋は、米飯等を中心に個食化対応が進行。また麺・パスタも各社が麺種、価格帯、地域性などで提案の幅を広げた。フレーバーで目立ったのが韓国メニュー。好調なプレート品も引き続き各社得意分野を生かしたジャンルの拡大が見られた。
個食需要が高まる中、今秋、パーソナルユースへの対応をさらに進めたのがニチレイフーズだ。新たにトレー入り個食米飯として、オムライスやビーフシチュードリア、天津飯を投入。ワンプレートには中華メニュー2品を追加した。
なお、ニッスイも〈まんぞくプレート〉に中華メニューとして「油淋鶏」をラインアップ。プレートメニューは従来の「洋食」「和食」からジャンルが拡大しており、ニップンの「ヤンニョムチキン&4種具材の旨辛ビビンバ」、エスフーズの「平城苑監修 牛カルビ焼肉丼」等、「中華」「韓国」メニューも加わり選択の幅を広げている。
個食ニーズが高まる一方で、家族で囲む食卓への提案も引き続き強化するのが味の素冷凍食品。「コクうま味噌ギョーザ」でギョーザのバラエティ強化を図る他、〈ザ★〉シリーズは食べ盛りの子供を持つ家庭にもターゲット層を広げている。
麺・パスタメーカーでは各社強みを活かした多彩な提案が進んだ。パスタでは“生パスタ”に注目し、市場活性化を図ったのが日清製粉ウェルナ。ニップンは〈オーマイプレミアム 至極〉シリーズの見直しを図り、高価格帯市場における商品強化を図った。
なお、ラーメンではキンレイが〈お水がいらない〉シリーズにプレミアムラインの商品を投入、素材・製法へのこだわりを一層強化した商品にチャレンジしている。日清食品冷凍はラーメンの調理方法を見直し。喫食時の温度が高く、かつ調理による風味劣化を低減する「新レンジ調理」を提案する。シマダヤは市場創造型商品として玉麺タイプのラーメン2品を提案。
“ご当地”をキーワードに商品投入を進めたのはテーブルマーク。福岡「肉ごぼう天うどん」、群馬「ひもかわうどん」や、奈良・天理、神奈川・川崎の名店監修品を提案した。

一歩、半歩手前を歩む ―― (一社)日本冷凍食品協会・藤江会長

冷凍食品新聞協会は5日都内で5月に就任した(一社)日本冷凍食品協会藤江太郎会長を招き、懇談会を開催した。
藤江会長は今後の抱負について要旨以下の通り述べた。
「何が起こるか分からないことだけが分かっている」。今を表す上手い例えだ。そういう時代だ。その中で協会を通じリーダーの皆さんが一早く社会、業界、お客様の変化に気づき一歩、半歩手前を歩み、手を打っていくことが重要な時代になっている。そのための情報、取り組みの提供をしていく。
2つ目は賃上げ、値上げだ。景気の好循環の実現を協会としても行っていきたい。日本の冷凍食品は品質が高いにも関わらず全体としてまだまだ価格が安すぎる。価格にしっかり反映させることで経済全体の好循環に繋げることが非常に重要だ。前提として各社がコストダウンをこれまで以上にやっていくことと、松竹梅の価格戦略、特に松の戦略を如何にやるかということは非常に重要だ。
3つ目が協調領域。これを深めていきたい。環境問題、プラスチックの問題、物流問題、この部分については協調領域が非常に大きいと思う、現況の取り組みを深め次のステージに取り組みを進めていくことが、私の役割。複雑で分かりづらいといわれる食品表示の問題への取り組みも業界の役割になってくる。様々な認証マークを変えるということを含めて安全と安心を担保した冷凍食品を世の中に広めていくということ。そのために組織化をさらに進めていくということが大事だ。協調領域がかなりある業界のもとで、これらを進めることで利益幅、付加価値の源泉になるものがかなり多いと思っている。
冷食新工場を建設、おせち・惣菜の供給拡大 ―― ノムラフーズ

次世代型冷食工場
日清製粉グループのノムラフーズは新たに取得する予定の国道24号線沿道地区(宇治市安田町)の土地に冷凍食品工場を建設することとし、現工場を拡張移転することを決定した。生産品目は冷凍食品(おせち料理、和風惣菜)、総工費は80億円、1年あたりの冷凍食品生産能力は1800万食(既存生産能力1200万食)に拡大、今年12月より着工し27年6月頃の稼働を目指す
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ノムラフーズはトオカツフーズの100%子会社。生産品の約4割がおせち料理、6割が業務用惣菜となっており、おせちは自社直販、百貨店・スーパー、業務用宅配事業者向けに供給している。1978年に京都伏見区で創業した同社は京の伝統食ともいえる「京のおばんざい」作りを手掛け、1987年に他社に先駆けて「冷凍おせち」を開発し、本格的に冷凍惣菜製品の製造・販売を開始した。京都ならではの素材のおいしさを生かした味づくりにこだわり、京都市内にも飲食店2店舗を構え、そのおいしさを提供している。
冷凍食品市場は、社会構造の変化に伴い今後も伸長が見込まれているが、現工場は、稼働開始から38年が経過しており、生産能力や保管能力が限界に達し、ローコストオペレーションの構築および供給体制の増強が課題となっていた。
新工場は、ノムラフーズが長年培ってきたノウハウに、最新の自動化・省人化技術を融合させるとともに、環境へも配慮した「次世代型冷凍食品工場」と位置付けており、同社グループの中食・惣菜事業の成長に向け、いままでにないアイデアと技術により、新たな価値を提供していく。
デンマークの水産加工会社に出資 ―― 極洋
極洋は2日、同社子会社 Kyokuyo Europe B・V・(KKE、オランダ・スキポール)が、ノルウェーの持株会社 Engelsviken Canning Norway A/S(ECN社、ノルウェー・エンゲルスヴィゲン)から、同社傘下で北欧に生産・販売拠点を持つ水産加工・販売会社 Engelsviken Canning Denmark A/S(ECD社、デンマーク・スカーゲン)及び Engelsviken Norway A/S(EN社、ノルウェー・エンゲルスヴィゲン)の2社の株式を取得することで基本合意を締結したと発表した。ECD社への出資比率は90%で、ECDグループを連結子会社化する。
ECN社は1867年に創立され、エビ製品ブランド「Engelsviken」は北欧圏のスーパーや外食店でなじみ深いブランドとして知られる。現在は同社傘下の事業会社・ECD社が生産・販売、ECD社の子会社の EN社が水産物の輸出入や販売事業を展開。
今後は、ECD社、EN社の販売網を生かし、極洋が2024年に子会社したオランダ及びトルコ企業で生産する、サケマス加工品やフライ製品などの販売拡大を図る方針で、グローバル展開を加速させていく。